L’Arc〜en〜Cielのリーダー&ベーシスト、tetsuya(テツヤ)。
「HONEY」のサビのタイ、「READY STEADY GO」の低音から高音への移動、「虹」の下降する低音。ここでは、5曲の販売TABに記された具体的な動きから、tetsuyaのベースを弾くときの見どころを紹介します。
前半ではバンド・ソロの歩みと、本人が語るベースラインの組み立て方を取り上げます。続く5曲の譜例では、音を保つ場所や弦・ポジションを移す場所を具体的に解説。後半には、公演ごとの使用例をもとにした機材紹介もまとめました。気になる曲の2小節から試し、曲全体に取り組みたいときは、各曲の全曲PDFの案内をご覧ください。
tetsuyaのプロフィール|バンド・ソロと楽器開発の歩み
tetsuyaは、本人公式プロフィールによると1969年10月3日生まれ。1991年にはtetsuyaを中心に大阪でL’Arc〜en〜Cielが結成され、1994年にキューンミュージックよりメジャーデビューしています。公式の年譜でも、バンドのリーダー&ベーシストとして紹介されています。
kenとの幼なじみとしてのつながりは、本人のステージ上の発言でも確認できます。2009年12月9日のKenのソロ公演を伝えたBARKSのレポートでは、オープニングに出演したTETSUYAが、kenと幼なじみであることに触れたと報じられています。同じ公演の終盤には、二人がTwisted Sisterの曲で共演したことも記録されています。
2021年のABEMA TIMESによるHYDEへのインタビューでも、HYDEはtetsuyaをラルクのリーダーとして語っています。自身がソロ活動をする中で、その立場の孤独が分かるようになったという話は、演奏以外の役割を知る手がかりにもなります。
2001年7月18日には、自身のレーベル「SPROUSE」を立ち上げ、TETSU69名義でソロ活動を開始。本人公式の年譜では、2006年にtetsuへ改名し、2009年にはL’Arc〜en〜Cielの活動ではtetsuya、ソロ活動ではTETSUYAへと表記を変更しています。2006年にはCreature Creatureのアルバム『Light & Lust』にベーシストとして参加し、「パラダイス」「風の塔」を楽曲提供。演奏と作曲の両面で、バンド外にも活動を広げています。
本人公式では、担当パートをボーカル・ギター・ベースと表記。2023年には「Like-an-Angel」を始動しています。株式会社グラヴィスが発表した2025年10月3日公演のレポートによると、この日は第1部でThe Juicy-Bananasを従えたボーカリスト、第2部でLike-an-Angelのベーシストとして、同じ会場の2公演に出演しました。歌う立場と、バンドの低音を担う立場の両方で活動していることが分かります。
楽器開発では、長年シグネチュアモデルを共同制作してきたESPとの関係も大切です。2023年10月3日には、ESP/EDWARDSで展開してきたシグネチュアモデルを引き継ぐブランド「STELLA GEAR」が始動。ベースやギターに加え、2024年にはベース用オーバードライブ「Bass Driver’s High」も発売されました。後半の機材紹介では、こうした製品の仕様と、公演での搭載例を分けて見ていきます。
tetsuyaのベースプレイ分析|プレイスタイルとベースラインの特徴
tetsuyaのベースプレイを一言で表すなら、「歌心のあるメロディアスなベース」。
ルートを淡々と支えるだけでなく、ギターやボーカルの隙間を縫うように動き回りながら、曲全体のメロディを補強するようなラインが特徴です。
メロディアスで“歌う”ベースライン
この記事で扱う販売譜の「HONEY」と「虹」では、サビの中にも弦や音域を変える動きがあります。「HONEY」の掲載2小節は、低い弦の3フレットから隣の弦の3フレットへ移り、タイで次の小節へつながります。「虹」ではD→C→Bと下がる低音から、高い音域へ進みます。低音の流れと、その先の動きを分けて読むことが、フレーズをつかむ手がかりになります。
ピックの向きと当てる位置にも、本人の考え方がある
2021年11月の『ベース・マガジン』インタビューで、TETSUYAは、ある程度のテンポまではダウンピッキングを選び、そのほうが音の粒がそろうと説明しています。ピックを当てる位置にも違いがあり、ライヴではネック寄り、座って弾く録音時は2つのピックアップの中間付近と語っています。
本人が語る、歌を生かすベースラインの組み立て
「歌うベース」を、音をたくさん動かすことだけで考える必要はありません。TETSUYAは2016年のBARKSインタビューで、ソロ曲「Make a Wish」のベースを室姫深と詰める際、歌メロとの関係から音を減らし、あまり動かない方向へ整えたと説明しています。フレーズを録音前に決めていたという話からは、弾く瞬間の勢いに加え、アレンジ段階で何を残すかを選ぶ考え方も読み取れます。
生ベースとシンセベースの使い分け
音色を調べるときは、歪みの種類だけでなく、何が低音を鳴らしているかにも注目したいところです。2021年の本人インタビューでは、ソロ曲「REGRET」で生ベースとシンセベースが切り替わると説明しています。楽曲全体を聴きながら、音色が変わる位置とフレーズの動きを合わせて追うことも、音作りを研究する入口になります。
作曲者とベースの動きを分けて聴く
このページで紹介する5曲の販売譜には、作曲者が次のように表記されています。ベースを弾く人と作曲者を分けて見ると、自作曲に限らず、異なる曲の中でベースがどう動くかを比べる入口になります。
| 紹介する曲 | 販売譜の作曲者表記 |
|---|---|
| HONEY | hyde |
| HEAVEN’S DRIVE | hyde |
| READY STEADY GO | tetsuya |
| 虹 | ken |
| STAY AWAY | tetsuya |
練習の提案として、掲載譜例を単独で弾いたあと、曲の音源と重ねて聴いてみる方法があります。「HONEY」のGm→Cではタイを含む音の持続、「虹」のD→C→Bでは低音の下降とその後の高音に、聴く目印を絞ってみましょう。音を動かす場所だけでなく、保つ場所が曲の中でどう聴こえるかも確かめられます。
tetsuyaのベースが光る代表曲・名演紹介【TAB譜付きフレーズ】
ここでは、tetsuyaのベースが特に際立っている代表曲と、コピー・耳コピ時に注目したいポイントを紹介します。譜例画像は、いずれも当サイトオリジナルTAB譜の一部です。
HONEY
「HONEY」のサビでは、低い弦の刻みから隣の弦へ移る動きと、小節をまたいで音をつなぐタイを一緒に見てみましょう。販売中のベースTABから、1サビ冒頭のGm→C、2小節を抜粋しました。

同じ「3」でも、押さえる弦が変わります。Gmの4拍目は4弦3フレット、その裏拍で3弦3フレットへ移ります。この3弦の音を、次のCの1拍目までタイで伸ばすのがポイントです。コードがCへ変わった瞬間に弾き直さず、次に右手で鳴らすのは1拍目の裏の3フレットです。
練習では、まず「4・と・1・と」と数え、4弦の3→3弦の3→伸ばす→3弦の3、という順で確かめてみてください。弦を移ったあとに4弦の音が残る場合は、空いている指などで止め、3弦の音だけがタイの先まで続くようにします。次にGmの頭から2小節をつなぐと、弦移動の忙しさと、右手を休める位置を分けて整理できます。
入りの休符やサビ4小節での練習手順は、「HONEY」のベースTAB解説で紹介しています。ここから曲全体へ進みたい方には、五線譜・TAB・コードとセクション名を併記した4弦用PDFがあります。中〜上級向け、譜面のテンポ指定は♩=182です。1Aの休みからサビ、間奏への流れを追いながら練習したい場合は、販売ページでサンプルと仕様をご確認ください。
HEAVEN’S DRIVE
「HEAVEN’S DRIVE」のイントロでは、細かな音が続く中に、同じ音を伸ばすタイと、音程を変えるスライド・プリングが混在します。下はイントロの主フレーズの前半2小節。音を変える動作と、音を保つ場所を分けて読むと、右手で弾く回数を整理できます。

冒頭には1弦5→6フレットの「s」があります。押さえた指を弦から離さず、5フレットから6フレットへ滑らせる指定です。続く7フレットの連続では、最後の2つの7がタイで結ばれています。数字が続くたびに弾き直すのではなく、タイの先は音を保ちましょう。スライドの移動と、右手を待たせる場所を別々に確かめるのが練習の出発点です。
後半のGmの終わりには、2弦3→2フレットの「p」があり、そのあと3弦3フレットへ移ります。こちらは音程を変えるプリングなので、同じ音を伸ばすタイと役割が違います。練習の案として、先に2弦2フレットを押さえる指を準備し、3→2だけを確かめてから3弦3フレットまでつないでみてください。弦を移ったあとに2弦の音が残る場合は、余韻を止める動作も加えます。
譜面のテンポ指定は♩=124、販売譜は4弦用・上級向けです。テンポの数字だけで容易と判断せず、1拍の中の細かな音と音のつなぎ方を整理して取り組みたい曲です。イントロ4小節の詳しい練習手順も参考にしてください。五線譜・TAB・コードを併記した全曲PDFでは、主フレーズの反復による違いや、サビへ入る調号の変化も追って練習できます。
READY STEADY GO
YouTubeで「READY STEADY GO」のMusic Clipを見る
「READY STEADY GO」のAメロでは、低音の反復から高いポジションへ跳ぶ動きが、同じコードの中に組み込まれています。下は2Aの冒頭2小節。4弦5フレットを刻む1小節目と、3弦11〜14フレットへ移る2小節目の対比に注目してみましょう。

1小節目は同じ5フレットが続きますが、4拍目だけ「8分音符→16分音符→16分音符」になっています。すべて同じ間隔で弾くと、拍末の細かな刻みが消えてしまいます。まず「4・と・あ」と口で刻み、4の頭から「と」までは8分音符、「と」から「あ」と次の1拍目までは16分音符、と区切って確かめてください。音程が動かない小節で、このリズムだけを取り出せます。
2小節目は4弦5→3弦12フレットと、弦もポジションも移ります。そのあとは3弦の12→11→12→14→12→11→11。練習では、先に高い方の7音だけを弾き、11を人差し指、12を中指、14を小指で押さえる運指を試してみてください。慣れたら最初の4弦5を足し、次の8分音符に3弦12が間に合うようにつなげます。移動を急ぐあまり右手の間隔が詰まる場合は、到着する12フレットを先に目で捉え、音を出す時点を拍に合わせましょう。
譜面の指定は♩=144、全弦半音下げです。通常のE・A・D・Gからは、それぞれE♭・A♭・D♭・G♭に下げて練習します。販売譜は4弦用・中級向け。低音を刻む部分と高音域へ移る部分を同じ曲で練習したい方に向いています。五線譜・TAB・コードを併記した全曲PDFでは、この2Aに加えてサビ、間奏、エンディングまで流れの中で確認できます。
虹
「虹」のサビでは、D→C→Bと下がる低音に、高い音域へ上がる動きが続きます。下は冒頭のサビの3〜4小節目。同じ場所で刻み続ける部分と、コードの構成音を使って音域を広げる部分を、2小節で比べられます。

まず、各コードに入る3弦5フレット(D)→3フレット(C)→2フレット(B)を取り出して弾いてみてください。これが低音の下降の骨格です。そのうえでBの小節を見ると、3弦2のBから2弦1のD♯へ進み、さらに2弦9のB、1弦8のD♯、2弦9のBへ上がっています。大きく動いていても、BとD♯という根音と長3度を軸にしていることが分かります。
リズムでは、Bの小節の2拍裏に入る2弦1フレットが、3拍の頭までタイでつながっています。3拍の頭で弾き直さず、次に右手で弾くのは3拍裏の2弦9フレットです。移動先の数字に気を取られてタイの先を再び弾かないよう、先に「どこで音を出すか」を確かめてから、左手の移動を合わせましょう。
練習の順序としては、下降する低音だけを弾き、次にBの小節の高い方への移動を足す方法がおすすめです。音域が大きく変わっても、D→C→Bという低音の流れと、タイで音を伸ばす場所を見失わずに弾く練習になります。
譜面のテンポ指定は♩=93、販売譜は標準チューニングの4弦用・中級向けです。速さだけで難易度を判断せず、伸ばす音と細かく刻む音の切り替えを練習したい方に向いています。五線譜・TAB・コードを併記した全曲PDFでは、サビに加えてAメロや間奏も流れの中で確認できます。
STAY AWAY
YouTubeで「STAY AWAY」のMusic Clipを見る
「STAY AWAY」には高音域のソロがありますが、伴奏リフの弦移動も練習ポイントです。下はイントロのC♯m、2小節。8分音符で進みながら4〜7フレットを行き来し、最後には隣の弦へ移ります。テンポを保ってリフをつなぐ練習に使ってみましょう。

1小節目は、3弦の4→4→5→4→7→4→5→4です。運指の一案は4を人差し指、5を中指、7を小指。7へ行ったあとに4へ戻る場所を見失わずに弾けるかを確かめましょう。7だけが遅れたり長くなったりする場合は、まず4→7→4の3音を同じ8分音符の間隔で弾き、それを元の列へ戻してみてください。
2小節目は3弦4→5→4→5→4に続き、4弦7→5→4へ下ります。最後の4は、それまで弾いていた3弦の4とは別の弦です。数字だけを追って同じ弦で終えないよう、移る場所に印を付けておくと譜読みを整理できます。
練習では、2小節目後半の「3弦4→4弦7→5→4」を取り出し、弦を移るところでも右手の8分音符が詰まらないかを確かめてください。移動後も3弦の音が残る場合は、前の弦の余韻を止める動作も一緒に練習します。フレットの移動と弦をまたぐ動きを分けて確かめてから、2小節をつなげる方法です。
譜面のテンポ指定は♩=160、販売譜は4弦用・中〜上級向けです。全曲PDFには17〜22フレット付近を使う高音域も含まれます。低い伴奏リフと高いソロを分けて取り組み、最後に1曲を通して練習したい方に向いています。五線譜・TAB・コードを併記し、イントロから各サビ、間奏、大サビまで曲の流れを確認できます。
tetsuyaの使用ベース・機材一覧|音作りとセッティング
ここからは、tetsuyaサウンドを支えているベース本体・アンプ・エフェクター・アクセサリ類を整理して紹介します。「tetsuyaっぽい音に寄せたい」ときの機材選びのヒントとして活用してみてください。
ベース本体
ZONのLegacy ELITEシリーズは、tetsuyaの使用ベースを知るうえで欠かせない存在です。2022年5月の東京ドーム公演を取材したベース・マガジンでは、2011年のライブから使っているブラウンのシグネイチャーモデルと、ピンクのLegacy ELITE 519を紹介しています。後者はレコーディングのメイン機と基本仕様が同じと説明され、この公演の「STAY AWAY」でも使われています。機材とフレーズを結び付けるときは、こうして演奏時期と使用曲が分かる実例を手がかりにできます。
本人とESP原田氏へのBARKSインタビューでは、大阪のESPショップ「シェルドンギターズ」との契約は1992年8月と説明されています。ESPとの共同制作が長く続いてきたことは、2023年のSTELLA GEAR始動を知るうえでも大切な背景です。以下は、開発記録や製品ページで確認できるモデルの例です。
- ESP Bardic / ESP BANDIT / ESP Bass IV / ESP BANDIT Six
- ZON Legacy Elite 519 tetsuya Model
- LAKLAND 55-69 tetsuya Signature Bass
本人の使用機を調べるときも、市販品を比べるときも、ブランド名に加えてモデル名まで確認しましょう。
ESPの開発記録では、Bass IVは1998〜1999年に試作を重ねたモデルとされています。また、「NEO UNIVERSE」で使われたBANDIT Sixは、通常のベースの高い側へ2本の弦を加えた6弦モデルとして説明されています。低音域を広げるための多弦化だけでなく、高音のメロディーを弾くための設計もあるわけです。弦の本数に加えて「どの音域を広げた楽器か」を見ると、リードギターのように歌うフレーズとベース本来の低音の役割を追いやすくなります。
アンプ/キャビネット
2025年1月の東京ドーム公演を取材したベース・マガジンの機材レポートでは、Ampeg SVTが左右3台ずつ配置され、左側の3台は予備と報告されています。ラックにはFree The Toneのセレクター類、Tech 21のPSA-1とPSA-1.1、tc electronic TRIPLE Cも搭載。PSA-1は、客席のPA用と本人のモニター用に2組の経路を用意しています。
Darkglass Electronicsの国内公式アーティスト一覧には、tetsuyaの使用機材として「Alpha Omega 900」と「DG112N」「DG212N」が掲載されています。キャビネットの製品仕様は、DG112Nが12インチのスピーカー1基、DG212Nが12インチのスピーカー2基という構成です。使用モデルの一覧と、先に紹介した特定公演のシステム全体を分けて見ると、機材構成を追いやすくなります。
2025年1月の東京ドーム公演について、システムを紹介したFREE THE TONEは、3色に塗り分けたBASSONの810キャビネット3台をステージに設置したと説明しています。また、ベース・マガジンの同公演の取材には、「EVERLASTING」のギター演奏用としてMatchless HC-30を用意していた記録があります。ベース用のシステムと、ギターを弾く場面の機材を分けて見ると構成がつかみやすくなります。
エフェクター
機材の構成は使用時期によって変わります。以下では、公表された機材レポートでの搭載例と、各ペダルの機能を分けて紹介します。音作りを考えるときは、歪み、音量の変化を整えるコンプレッサー、揺れや残響を加えるエフェクトの役割を整理してみましょう。
Electro-Harmonix Big Muff π
FREE THE TONEが公開した2025年1月公演のラックには、ヴィンテージのBig Muffが収納されています。同じBig Muffでも年代や仕様が異なるため、上の商品リンクは本人のヴィンテージ個体と同一仕様のものを示すわけではありません。音作りを比べる際は、製品名だけでなく個体の違いも確認しましょう。
Electro-Harmonix Graphic Fuzz
GRAPHIC FUZZも、同じ2025年1月公演のラックに収納されていました。一方、Electro-Harmonixの復刻版の製品説明では、6帯域のイコライザーと歪みを備え、歪みをオフにしてEQだけで使えると案内しています。公演のヴィンテージ個体の紹介と、メーカーが説明する復刻版の機能は分けて確認しておきましょう。
Empress Effects Compressor MKII
YouTubeでBass Compressorの参考動画を見る
参考動画の機種:Bass Compressor(この節で紹介するCompressor MKIIとは別モデル)。操作部の違いは、それぞれのメーカー製品ページでご確認ください。
2025年1月公演のFREE THE TONEの機材写真では、青い本体に「COMPRESSOR MKII」と表記されたペダルを確認できます。メーカーの製品説明によると、入力レベルと、圧縮によって下がった音量をそれぞれメーターで確認でき、Mixで原音と圧縮した音を混ぜられます。試す場合は、メーターだけで決めず、同じフレーズの音の立ち上がりや伸びも聴き比べてみてください。
TC Electronic Helix Phaser
YouTubeでHelix Phaserのベース用デモを見る
フェイザーです。2025年1月の東京ドーム公演の機材レポートでは、ラックの引き出しに搭載された機器の1つとして紹介されています。自分の音作りに取り入れるなら、まずオンとオフを比べ、揺れがフレーズの輪郭をどう変えるかを確かめてみてください。
Free The Tone Flight Time
2025年1月公演の機材写真には、FLIGHT TIMEの「FT-1Y」という本体表記が写っています。上の商品リンクのFT-2Yとは型番が異なるため、同じFLIGHT TIMEシリーズでも仕様の確認が必要です。ここでは公演での搭載例として紹介し、原曲のディレイ設定を再現できるという意味ではありません。
weed FREEZER
コーラスです。2025年1月の東京ドーム公演の機材取材では、ラックの引き出しへの搭載が紹介されています。コーラスは音に揺れや厚みを加えるエフェクトなので、音作りを考えるときは、その変化にも注目してみましょう。
ライブでの組み合わせ例|READY STEADY GO
2022年5月の東京ドーム公演の機材取材では、「READY STEADY GO」のイントロでBig Muff πとHelix Phaserを併用し、イントロ以外ではGRAPHIC FUZZを使ったと報告されています。単に「歪んだ音」と捉えるだけでなく、ファズとフェイザーの組み合わせや、同じ曲の中での切り替えに注目できる実例です。
STELLA GEAR「Bass Driver’s High」
2024年4月25日に発売されたベース用オーバードライブです。メーカーの製品説明によると、クリーン信号と歪み信号の割合を変えるBlend、歪みの深さを変えるDrive、低域・中低域・中高域・高域を調整する4つのEQを備えています。Driveのフットスイッチをオフにすると、歪み回路を使わずクリーン信号だけを出力します。歪み量と原音の割合を別々に調整できる点が、音作りを考えるときのポイントです。
周辺アクセサリ・小物類
弦やピックなど、手元の道具も弾き心地に関わります。使用例と製品の仕様を見ながら、自分のベースや弾き方に合うものを考えてみましょう。
DR Stringsの公式アーティストページには、TETSUYAの弦としてHi-BeamのMR5-45が掲載されています。ステンレス製で、芯線が丸いラウンドコアのベース弦です。ストラップは自身のブランドSTELLA GEARにも製品があり、ブランド公式サイトでは、2026年8月5日に「Stella Gear Logo Strap」を発売したと案内しています。
DRの4弦用HI-BEAMSの製品説明では、ステンレスの巻線とラウンドコアを特徴としています。直前の商品リンクはMLR-45で、TETSUYAの公式アーティスト欄に掲載されたMR5-45とは型番が異なります。本人の使用例と、自分のベースに合う弦数・ゲージを区別して確認してください。
ピックにも具体的な使用記録があります。2022年5月の公演取材では、ESP製オリジナルのポリアセタール製・厚さ1.0mmのピックが紹介されています。サンドグリップ加工に加え、大小4か所の穴を設けた、滑り止めを意識した仕様です。本人と同じ型だけを探すのでなく、厚み・素材・握りやすさを分けて試すと、自分に合う弾き心地を比較しやすくなります。
ケースについては、STELLA GEARが2026年10月3日にベース用ハイブリッドケース「SG-HC-B」を発売しています。メーカーは、可動式のクッションで楽器に合わせて調整できる構造と案内しています。仕様表の内寸は1270×370×70mm、重量は約6.9kg。変形ベースを除く多様な形状に対応すると説明されていますが、自分の楽器が内寸に収まるか、パッドを合わせて固定できるかを確認することが大切です。
STELLA GEARは、ESP/EDWARDSで展開していたtetsuyaのシグネチュアモデルを引き継いでいます。ブランド公式の説明では、職人が仕上げるラインと、生産コストを見直した量産ライン「Diffusion Line(DL)」を区別しています。ロゴが同じでもモデル名の表記が異なるため、仕様を比較するときはDLの有無まで確認しましょう。
tetsuyaの魅力まとめ|ベースをコピーするときのポイント
最後に、tetsuyaのフレーズをコピー・研究するときに意識したいポイントを整理します。
「歌うベースライン」を意識する
コピーするときは、歌メロの裏で“もう1本のメロディ”を奏でるように感じる箇所を意識して聴いてみましょう。たとえば「虹」の掲載2小節では、D→C→Bと下がる低音に、高い音域のB・D♯への動きが続きます。低音の流れを確かめてから高い音を足し、歌やギターと重ねたときにどう聴こえるかを比べてみてください。
動くところと支えるところのメリハリ
「HONEY」のサビで低い弦から隣の弦へ移るところと、「READY STEADY GO」の2Aで低音の反復から高いポジションへ跳ぶところでは、左手の動かし方が変わります。まず反復する音だけを保ち、次に移動する音を足す方法なら、一定に刻む部分と移動の課題を分けて練習できます。最後に元の2小節をつなげ、動いたあとも拍の間隔を保てるか確かめてみてください。
伸ばす音と弾き直す音を、録音で聴き分ける
練習の提案として、「HONEY」の掲載2小節を録音し、①Gmの4拍目裏からCの頭へつながる音、②Cの小節で次に弾き直す音、の2点を続けて聴いてみてください。①はタイで保ち、②は1拍目裏で弾き直す、という販売譜上の違いが録音でも伝わっているかを確かめます。タイの先まで毎回弾いてしまう場合と、伸ばす途中で音が切れる場合では直す動作が変わるため、音を出す回数と持続を分けて聴くと課題を絞れます。
右手の位置と音の出し方を比べる
音作りを試す練習として、「HONEY」の掲載2小節を同じフレット・同じテンポで弾き、右手の位置をブリッジ寄り/ネック寄りへ変えて録音してみましょう。まず位置だけを変えると、アタックや音の伸びの違いを比べやすくなります。ピックを使う場合は、その比較を終えてから当てる角度も変えてみると、自分が欲しい音の輪郭を探せます。
曲と練習する範囲を選ぶ
「虹」の掲載2小節なら、D→C→Bの低音だけを抜き出してから、Bの小節で高い位置へ動く音を足す、というように課題を区切れます。「HEAVEN’S DRIVE」の販売譜は上級向けで、テンポ指定♩=124の中にスライド・プリング・タイが入ります。選曲するときは、好きな曲かどうかに加えて、今取り組みたい動作が掲載譜例で試せるかも目安にしてみてください。
実譜を使ってコピーするときは、まず記された音と音価を弾き、そのあと歌や他の楽器と重ねて、音を足す場所・保つ場所の違いを聴いてみてください。フレーズを弾く練習と、曲の中でどう聴こえるかを確かめる練習を行き来することが、この記事で提案したい使い方です。
この記事で紹介した「HONEY」「HEAVEN’S DRIVE」「READY STEADY GO」「虹」「STAY AWAY」のTAB譜は、当サイトオリジナルの採譜です。まず好きな曲の掲載2小節で、音を出す位置、タイで右手を待つ位置、弦やポジションを移す位置を確かめてみてください。曲全体を練習したい場合は、各曲の販売リンクから、対応する全曲PDFの仕様とサンプルを確認できます。

