長く短い祭のベースTAB|休符とハンマリング、簡単版との違い

「長く短い祭」のベースは、低音でリズムを支えながら、すっと高い音へ駆け上がるところが魅力です。細かいフレーズに目が行きますが、弾いていない時間にも耳を向けると、この曲らしい動きが見えてきます。

原曲に近い動きへ挑戦したい方も、まずはシンプルなアレンジで曲を通したい方も。ここでは、通常版と簡単版の同じ4小節を見ながら、何を残して、どこを弾きやすくしているのかを確かめていきましょう!

歌の掛け合いと、ベースが動く隙間

椎名林檎「長く短い祭」は、2015年8月5日発売の両A面シングルに収録された曲です。コカ・コーラの2015年サマーキャンペーンCMに使われ、浮雲とのデュエットも大きな聴きどころ。レーベルの公式紹介でも、ブラジル音楽の要素を取り入れたダンスチューンとして案内されています。

ベースを練習するときは、ずっと同じ強さで押し続けるより、低音を置くところ、音を止めるところ、短いフレーズで動くところを聴き分けてみてください。下の通常版では、低い音を中心にした小節の間に、高い音へ向かうフレーズが入っています。その出入りが分かると、速い音だけを追う練習から一歩進めます。

椎名林檎「長く短い祭」公式MVで曲を聴く

まず聴き比べたい、イントロの4小節

両方の譜面に書かれているテンポは♩=125、4/4拍子。下の譜例は、イントロでベースが入ったあとの対応する部分です。コードはGm、Bm、B♭、Dmと進みます。難易度の違いを、音数だけでなく休符や弾く位置から見てみましょう。

通常版:低音から上がる短いフレーズに注目

長く短い祭の通常版、イントロの4小節。低音の合間に7フレットから9フレットへのハンマリングが入り、弦を移って高音へ上がる。
通常版のイントロ4小節。hの付いた音と休符を一緒に見てみましょう。

通常版は中級向けです。譜例のBmの小節では、3弦の開放弦から2フレットへの装飾的なハンマリングに続き、後半に3弦7→9フレット、2弦7→9フレットという動きが出てきます。hはハンマリングの指示で、後の音を左手の指で弦へ打ち付けて鳴らします。

ここは、いきなり4小節を続けて弾くと、手の移動もリズムも忙しくなります。まずは3弦7→9フレットの2音だけを取り出し、弾いた最初の音とハンマリングした音の音量をそろえてみましょう。同じ動きを2弦でも練習してから、2本の弦をつなげます。

次に、Bmの小節からB♭の小節へ進む練習です。高い位置のフレーズを弾いたあと、次の小節では4弦6フレットへ戻ります。最後の高音を鳴らしたら、次に向かう低音の位置まで見ておくと、移動のために拍が止まるのを防ぎやすくなります。

Dmの小節にも、1弦7→9フレットのハンマリングがあります。こちらは前後に弦移動が入るので、ハンマリングだけ成功しても不要な弦が鳴り続けるとフレーズがぼやけます。使っていない弦へ指を添え、狙った音だけが残っているかを確認してください。

簡単版:細かい動きを整理しても、休符は残る

長く短い祭の簡単版、対応するイントロ4小節。4弦3・7・6フレットと3弦5フレットを使い、休符を挟みながら低音を弾く。
簡単版の同じ4小節。高い音へ上がる細かい動きを減らし、低音と休符で進みます。

簡単版は入門向けのアレンジです。この部分では、Gmで4弦3フレット、Bmで4弦7フレット、B♭で4弦6フレット、Dmで3弦5フレットが中心。通常版にある高音の細かい動きが整理されています。

ただし、簡単版も四分音符を均等に並べただけではありません。最初のGmの小節を、8分音符単位で数えてみてください。1拍目で弾く→2拍目の頭を休む→2拍目の裏で弾く→3拍目で弾く→4拍目は休む、という流れです。「裏」は、拍と次の拍のちょうど間を指します。

最初は4弦3フレットだけを使い、メトロノームを遅くして、この1小節を繰り返しましょう。2拍目の頭へ音を置いてしまわないか、4拍目でしっかり音を止められるかが確認ポイントです。休符の間も心の中のカウントは止めず、次の1拍目へ戻ってみてください!

リズムが安定したら、4弦3フレットから7フレットへ移るところを加えます。簡単版でも手の移動はあるので、「入門向けだから最初から原曲の速さで」と急がなくて大丈夫です。曲に合わせる前に、自分で拍を保てる速さを見つけましょう。

自分の演奏を録って、何を聴く?

通常版なら「速い部分を通過できたか」、簡単版なら「最後まで止まらなかったか」だけでなく、短い範囲を録って次の点を聴いてみてください。

  • 休符の間に低音が残っていないか。 残っていたら、押さえた指を弦から大きく離すより、弦へ触れたまま力を抜いて止める動きを試します。開放弦は別の指で触れて止めます。
  • 移動した直後の音が遅れていないか。 遅れるときは、移動前後の2音へ範囲を戻し、拍の中で手を運ぶ練習をします。
  • 通常版のハンマリングだけ音が小さくならないか。 指先を弦の近くに準備し、短い動作でしっかり音を出してから、元のリズムへ戻します。

原曲と比べるときも、最初はこの3点から一つを選びましょう。音源の雰囲気へ近づけるには、音を増やすことと同じくらい、休符で空間を作ることも大切です。

通常版と簡単版、どちらの楽譜で練習する?

高音への動きやハンマリングまで練習したいなら通常版、細かいフレーズを減らして、まず曲全体の流れをつかみたいなら簡単版が選択肢になります。今回の4小節を、自分が今取り組みたい内容と照らし合わせてみてください。

どちらも4弦ベース用で、五線譜・TAB譜・コードを併記したPDFです。ここで見られるのは一部の短い譜例で、曲全体を練習するためのPDFは有料で販売しています。ページの切り抜きだけでは追いきれない曲の展開や、後半のフレーズも全曲譜で確認できます。

通常版・中級向け
原曲に近いベースラインの動き、ハンマリングや弦移動にも取り組みたい方へ。

通常版の全曲PDFをSTORESで見る

通常版をPiascoreで見る

簡単版・入門向け
細かい動きを整理したアレンジで、曲を通して弾くことを目指したい方へ。

簡単版の全曲PDFをSTORESで見る

簡単版をPiascoreで見る

2026年10月30日確認時点で、通常版・簡単版ともにSTORESは各400円、Piascoreは各360円です。購入時はリンク先の版と最新価格をご確認ください。

同じ椎名林檎の曲で音の切り方を練習するなら、丸ノ内サディスティックのベースTAB解説もどうぞ。TABの基本を確認したい方は、TAB譜の読み方へ進めます。

べーやん

楽譜が大の苦手な“元・落ちこぼれ組”から、メジャーサポートやレコーディングも経験するプロベーシストになりました。

バンドスコアやネットTABに振り回された経験から、
「正確で、現場で本当に弾きやすいTAB譜」づくりに
こだわって活動しています。

このブログでは、独学〜初心者・中級者向けに、TAB譜付きの解説や、現場目線のベースのコツを発信中。
ベースを長く楽しく続けるお手伝いができたらうれしいです。

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